路地の記憶

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DSC_3731.JPGのサムネール画像

 

中学生の目に映る田辺の町並みは、ほの暗いワンダーランドだった。


密集する民家は狭い路地に隔てられ、一軒一軒の暮らしが音になり、匂いとなって路上に漂った。

 

テレビ番組の声、子供の名前、食器の触れ合う音まで耳に届いた。プライバシーなど、どこにもなかった。

 

路地は不規則に折れ曲がり、歩けば歩くほど目的地から遠ざかった。いたるところに袋小路が待ち受け、昨日歩いた道がどこかに消えた。魔界の縁を撫でながら、ぼくらは猫のように自由だった。

 

漁師町の迷路は、もっと不気味だった。
行き止まりに半裸の男たちがたむろしていた。不穏な空気が淀んでいた。日に焼けた肌。目が合うと、闇の中から睨まれている気がした。ひぇー。ぼくは怪しい者じゃありません。

 

今から思えば、彼らは単に夕涼みをしていただけなのだ。

けれども中学生の目に映る褐色の男たちは、惑星の運行を阻害する計画を立てているかに見えた。

 

迷宮の町は、今はもう記憶の中にしかない。
湿った土の匂いは、アスファルトの下に消えた。
車道は屋敷町を破壊し、海と駅とを直線で結んだ。
新しい海水浴場は、今年大いに賑わったと聞く。

町は変わる。健康的で快適になる。それは喜ばしいことだろう。ノスタルジィなど屁のつっぱりにもならない。

 

しかし...
 
あの頃身近に感じた異形の存在は、ぼくらの前から姿を消した。
死角に潜む妖怪たちが、全ていなくなるのは淋しい。

この土地がかつて持っていた不穏な空気。逢う魔が時のときめきを、何とか音楽の中に蘇えらせたいと夢想している。

 

photo=古い石垣が残る田辺市内の路地(c.nagase) 

コメント(3)

ナミナミ :

はじめまして ナミナミと言います。及川さんとは友人です。
和歌山市出身で川西市(兵庫県)在住です。
と言えば彼女はわかると思います。
ハンドルネームがナミナミなのでここでも使わせてくださいね。

子供の頃はうちの近所にもこんな路地はありました。大人になっても時々近道を探して冒険します。とんでもないところに出てしまったり、同じ場所に戻ってしまったり、方向音痴のくせに冒険好きです。蒸し暑い瀬戸内気候の阪神間よりも和歌山の暑さがちょっとなつかしいです。とかなんとかいってもやっぱ、あつーい、曲づくりは順調ですか?

ナミナミ :

ナミナミと言います。及川さんとは友人です。
和歌山市出身の川西市(兵庫県)です。
ハンドルネームがナミナミなのでここでも使わせてくださいね。

PCには不慣れでうまくサインインできませんでした。
今、やっと書き込んでいます。さっきも書き込みしたんだけどうまくいかなっかたみたいm(_._)m

子供の頃は路地を通れば近道でした。大人になっても近道を探して冒険しては道に迷っています。方向音痴はなおりません。

この蒸し暑さは和歌山とはちがう。瀬戸内気候の阪神間に住み、実感した次第です。
曲作りは順調ですか?

蛯乃木 :

ナミナミさん こんにちは!

むかしインベーダーゲームが流行したの覚えてます?
やったことあります?
ぼくも人並みに夢中になったのですが・・・
実は一度も10万点を出したことがないのです。
2面のどこかで必ずつまづくのです。
まわりのみんなは軽くクリアしていくのに。
小学生でもらくらく超えていくのに。
それがトラウマになったのでしょうか。
コンピューターと名のつくものが大嫌いになりました。
ゲームもダメ。メールもダメ。
今回このブログを書くために、PCのイロハを勉強しています。
ごめんなさい。
今日の今日まで、コメントの意味も、返事の仕方も知らなかったのです。

自分のアドレスとパスワードを今日初めて知りました。
まわりの人に手を引かれて歩いています。
次回からはすぐにレスポンスします。
どんくさいぼくを許して下さい。

「ほんまかい通信」の路地ネタはこれからも続く予定です。
せまくて暗い場所をはいずり回るつもりです。
クモの巣だらけのブログにどうかおつきあい下さい。

エビノキユウイチ


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このブログ記事について

このページは、蛯乃木が2007年9月 5日 10:55に書いたブログ記事です。

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