日本の祭囃子の起源は中近東あたりらしい。打楽器奏者の海沼正利さんがそう言った。思い当たるフシがある。
ジプシー音楽で浮かれていると、突然何かを思い出しそうになる。記憶の沈殿物をかき回される気分。
コンコンチキチ、コンチキチ。コンコンチキチ、コンチキチ。あれえ?これどこかで聴いたことがある。
夏祭り?そうだ。天神祭りのリズムだ。
コンコンチキチ、コンチキチ。コンコンチキチ、コンチキチ。
ハンドルから手を離して、一緒になって踊ったりする。すれ違う運転手が、あきれた顔でぼくを見る。
天神祭りに限らない。ジプシーのリズムパターンは、日本の祭囃子にそっくりだ。四分音符の頭打ち。バスドラムと和太鼓のイメージが重なる。
違いは、鋭さ。ジプシーのビートは刃物のように鋭い。手が切れそうだ。これも起源と呼ぶにふさわしい。東に運ばれる途中、水蒸気でふやけてしまったのだろう。
聞けば空前のダンスブームだという。関係筋によると、都内のダンススクールは、ハンバーガーショップよりも多いらしい。人気の1位はフラダンス。2位はベリ-ダンス。おおベリーダンス!今や中近東のグルーヴは、決して遠い存在ではない。
会社帰りのOLは、ジプシー音楽に身をゆだね、激しく身体を揺さぶりながら、遠いふるさとの祭囃子を思い出しているのかも知れない。バルカン半島の彼方に浮かぶ、幻のふるさと。
望郷の念が、人をしてベリーダンス教室に足を運ばせるのか。石川啄木が停車場に足を運んだように。
ほんまかい!
photo=田辺祭の夜(c.nagase)
このページは、蛯乃木が2007年9月 9日 18:24に書いたブログ記事です。
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