田辺市はとても小さな町である。何をやるにしても、大都市のフォーマットは身の丈に合わない。よくある類のアイデアや、使い古しのプログラムは、市民気質になじまない。反骨精神が強いのだ。したがって、万事が無手勝つ流になる。非常識のそしりを受けても、田辺市のイベントは非常にユニークである。小ならではの機動性を生かしたイベントを打ち出してくる。渋滞する道路で、バイクが大型車を追い抜いていく小気味よさがある。
弁慶祭りのフィナーレを飾る3000発の花火もそんなイベントのひとつだ。
夏は酒くさい親戚のおじさんみたいだ。そばにいるとうっとうしい。しかし、いざいなくなると意外に淋しいものだ。轟音に追われて、おじさんの背中が遠ざかる。同じように、ぼくの中にも夏の邪気が漂っている。こいつを一緒に蹴散らしてくれ。ちっぽけな自意識。利己的な欲望。べたつく夏の余韻をリセットしたい。花火が心の中で弾ける。邪気と邪念が一緒に燃える。影も形も消えてなくなれ!
明日になれば、気圧配置が変わるだろう。背筋の伸びた少女のように、正義感の強い季節がやってくる。過ぎ行く夏に号砲を!10月こそ、花火の季節にふさわしい。
photo=扇ケ浜の花火(s.ueda)
このページは、蛯乃木が2007年10月10日 10:29に書いたブログ記事です。
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