パンの木村屋本店

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オミナエシ.JPGパンの木村屋本店は、路地の角にある。六坪ばかりの小さなお店である。
いつも気づかずに、その前を通り過ぎていた。


田辺高校の学食の脇に売店がある。
ここに並べられていたのが、木村屋と山崎のパンだった。
どちらかというと、木村屋のパンを選ぶことが多かった。
塩味のきいたマーガリンをはさんだ「ネオロール」
二等辺三角形のぶあついパンにジャムをはさんだ「ジャムサンド」
このふたつが好きだった。いまでも好きだ。

山崎のパンは大ぶりで華やかだった。
木村屋のパンは、やや小ぶりで質実な感じがした。
山崎はその当時からテレビコマーシャルを盛んにやっていたので、きっと大きな会社だろうと思っていた。そのとなりにある木村屋は、2番目のパン屋さんにちがいない。
岐阜県の企業団地に工場があって、毎日焼きたてのパンが全国に配送されて行く。そんなイメージを抱いていた。


曲作りに飽きると、気分転換に散歩する癖が身についた。
古い町並みを抜けて、海まで歩いて20分。
これほど散歩に適した町もない。
民家に咲く季節の花を楽しみながら、ぼんやり歩いて行く。
その途中で「パンの木村屋本店」の看板を見つけたのだ。

おそるおそる中に入った。
わあ!棚に並んでいるのは、懐かしいパンばかりだ!
バターパン、クリームパン、ジャムパン。
ピーナツクリームをはさんだもの、ホイップクリームをはさんだもの。
学生服を着ていた頃の気分がよみがえる。

ジョエル・ロブションによく似たご主人に話を聞いた。
ここが本店ですか?
そうです。奥で毎日焼いてます。
子供の頃からずっとこのパンを食べてました。
ありがとうございます。
何年ぐらいやってるんですか?
親父の代から、70年、いや80年になります。
は、80年!

 

田辺の町を歩くことがあったら、ぜひ「パンの木村屋本店」に立ち寄ってほしい。
ここだったのか・・・
『アメリカン・グラフティ』のラストシーン。
リチャード・ドレイファスが、ウルフマンジャックのスタジオを訪ねる場面がよみがえると思うよ。

photo=オミナエシ(c.nagase)

コメント(4)

ぴのこ :

木村屋のパン!懐かしいです。
学生時代、学食に置いてあってサンドイッチとバターパンをよく食べてたのを思い出しました(^^)
社会人になってからもたまにお店に寄りましたが、いつも運悪くどちらもなくて...
結局卒業してからは食べれてないんですよね(:_;)

久しぶりに懐かしい味を食べたいなぁと思いました♪

jin :

新潟の実家の農舎にはリチャード・ドレイファスが探していたピンクのTバードと同じ色に染めたベスパがあったのを思い出しました(もう動かないかな。。。笑)
保板で紹介されていたので、遊びに来ました。
蛯乃木さんのほんまかい通信、面白いですね。すごぉ〜く。(笑ったのが、ワインナイフの二人の間に挟まれるとことか物差しの話とか。。。11時半とか。。。)
更新楽しみにしています。

エビノキユウイチ :

ぴのこさま

バターパン!
覚えています。
皮が香ばしくて、中がしっとりして。
あれは生地そのもののおいしさでしたね。

売り切れごめんも、いさぎよくていいですね。
あの店は、偽装表示とは無縁だと思います。

エビノキユウイチ :

jinさま

リチャード・ドレイファスつながりでいうと、『アメリカン・グラフティ』の次は、何といっても『グッバイガール』が好きでした。先日テレビで久しぶりに見たけれど、とてもかわいらしい映画でした。ニール・サイモンとビリー・ワイルダーが好きだったなあ。
娯楽作品しか知らないぼくは、映画の見方がなってないとホサカに叱られます。
そういえば、ある女性と『ラストサムライ』の話になったとき、トム・クルーズが小雪に鎧を着せてもらうシーンがよかったねというと、あの映画で一ヶ所だけ切る場所があるとしたらあそこだな、とばっさり。
叱られて伸びるタイプになりたいと思いました。

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このページは、蛯乃木が2007年10月20日 09:42に書いたブログ記事です。

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