やよい食堂
田辺らしさとは、
お笠の似合う町並みのことではないだろうか。
この夏初めて「曳きそろえ」を見て以来、
ぼくはそんな風に考えるようになった。
「曳きそろえは絶対見るべきです。
来年の夏はぜひ!」
ビールをぐいと飲み干して、
ぼくは熱弁をふるっていた。
目の前にS住職とU画伯がいる。
テーブルの上には、
焼きギョーザ、
鳥のからあげ、
瓶ビール。
ぼくたちは旧会津橋を渡り、
お笠のコースを逆行しながら、
やっとの思いで『やよい食堂』にたどり着いたのだった。
企みを見透かされるかのように、
何をやってもうまくいかない一日がある。
悪い予感はしていたものの、
『はしづめ』はやっぱりお休みだった。
『宮満寿司』も、
『かっちゃん』も、
『万よし』も、
一軒残らずお休みだった。
9月とはいえ残暑は厳しく、
ミストサウナの中を歩き回っているような気がした。
空模様よりもぐずつくU画伯をなだめたりすかしたり、
会津川方向に取って返した鼻先に『やよい食堂』の看板があった。
「ここはいいです。これは大丈夫。」
S住職が請け負って、
ぼくたちはガラガラと引き戸を開けた。
とにかく、ビール!
『千と千尋の神隠し』に出てくるカオナシみたいな勢いで、
ぼくたちはテーブルにへばりついた。
瓶ビールが2本空になり、
3本目を仲良く注ぎ分ける頃、
ようやくぼくたちは人間にもどった。
ギョーザをひときれつまみながら、
ぼくはこの夏に見た「曳きそろえ」の情景を、
微に入り細をうがち、
二人の眼前に描き出そうと努力していた。
(つづく)
弁慶ゆかりの闘けい神社(c.nagase)
やっとU画伯、ビールにありつけてよかった~(^o^)
やよい食堂万歳!
pipiさま
お久しぶりです。
やっとビールにありついて、
U画伯は機嫌を直してくれました。
そこで重大発表が。
試練は人間をひと回り成長させてくれるもの。
雨の中をうろついたのも結果オーライみたいです。