樹氷
熊野古道が世界遺産に認定され、
ありがたいことに田辺市は、
全国から注目されるようになりました。
人口10万にも満たない小さな街で、
官と民が一体となって映画を作ったり、
CDを作ったり、
おやじバンドコンテストをしたり、
住んでいてこれほど楽しい街もない、
というのが実感です。
住んでいる人間が楽しい、
というのがまちづくりの基本だとしても、
自分たちだけが喜んでいればいい、
という時代でもなさそうです。
あの手この手で地域の魅力を掘り起こし、
観光客なり、
交流人口なりを増やしていかなければ、
活力を維持することが難しい。
少子高齢化が進むにつれ、
地域社会の現実は厳しいものがあります。
田辺市の魅力を発信するにはどうすればいいだろう?
誰に頼まれたわけでもないのに、
あれこれ考えてきました。
田辺にかぎらず、
地域社会には磨けば光る材料が眠っているものです。
これを見つけたところだけが、
地域のブランド化に成功します。
わが街に眠る宝物はなんだろう、
と考えあぐねていたら、
管理人のナガセ氏が大きなヒントをくれました。
それがタイトルの「樹氷」です。
田辺市龍神村に樹氷のあることを、
残念ながらぼくは知りませんでした。
南国のイメージがすっかりくつがえされました。
だってサーファーが海で泳いでるんですよ!
同じ季節、
同じ紀伊半島に樹氷ができるとは!
龍神村の雪は片栗粉のようにサラサラで、
踏むとキシキシ音を立てるといいます。
里山には梅の花が咲こうとしているのに、
車でわずか1時間の距離に雪景色。
これには驚きましたね。
「珊瑚と樹氷。それが田辺です」
とナガセ氏はいいます。
だからこそ面白いのだと。
地元の生まれではないからこそ、
全体を俯瞰できるのでしょうか。
地元の人間が見落とすものを拾い、
それを面白がることができる。
ナガセ氏の指摘は重要です。
相対立する要素の共存、
それは芸術作品に欠かせないものです。
大胆さと繊細さ、
遠心力と求心力、
鳥の目と虫の目など。
自然を正確に写し取りながら同時に誇張を加えていく。
相反する力を制御できなければ、
作品に生命力は宿りません。
「死守せよ!そして軽やかに手放せ」
ナガセ氏の指摘はぼくに、
ピーター・ブルックの言葉を思い出させました。
「珊瑚と樹氷のまち、田辺」
この言葉が暗示するものは少なくありません。
自然の豊かさを伝えると同時に、
何か不思議な印象を与えます。
そこから精神性の深さや、
宗教的な霊感を読み取る人も出てくるような気がします。
ナガセ氏が見つけた視点は、
いつの日かこの田辺市を、
宗教的な聖地に位置づけるかもしれません。
*山頂の拡大写真です(c.nagase)
田辺に樹氷とは驚きです。
たしか白浜は熱帯魚が泳ぐ海でしたよね。
ところで、樹氷の山のてっぺんに立ちあがっている巨人は誰ですか?
夜になったらゴヤの絵のようになるんでしょうか。
だとしたら、こわいです。
めざさま
ぼくにもよくわからないのですが、
たしかに誰かスキーの練習をしていますね。
この世のものならぬものが大勢いるところも、
ぼくたちのふるさとのいいところですね。
めざ様
巨人の正体は、NHKの電波塔です。掲載の写真では見えませんが、原画を拡大していくと、パラボラアンテナに「NHK」という赤い文字が書いてあるのが読めます。最近のデジカメはすごいです。後ほど、ブログのところに拡大写真をアップしますね。
実は、あの電波塔が立っている場所は、和歌山県の最高峰でありながら、これまで名前がなかったピークです。昨年、田辺市が名称を公募し、近く名前が発表される予定になっています。さて、どんな名前になるのでしょうか。
長瀬さま
「龍神コロッサス」なんてどうでしょうか?
「タイタンの角」もあると思います。
うつくしいですね。
ところであれは樹氷というより霧氷というんじゃないかね。
c.nagase様、ありがとうございます。
もやもやとした疑問が晴れました。本当に近頃のデジカメはすごいですね。
うっかり近所の風景など撮ろうものなら、盗撮の意思がなくてもベランダに誰が立っているのか、何が干してあるのかまで、拡大すると見えてしまう。
関係ないですが、同年代の友人と「学生のころファラ・フォーセットの髪型が流行ったりしてたよね」と話をしていたら、同席していた年下の友人が「パラボラアンテナの髪型ってどんなんですか?」と聴いてきた。
どういう聞き間違いなんだか・・・というより、パラボラアンテナの髪型は私も見てみたいと思いました。
sachiさま
ムヒョー!!
ジュヒョーとのちがいをはじめて知りました。
年末にハンマーズホイ展を見て以来、
冬の情景に魅了されています。
ハンマーズホイが描くデンマークの街は、
静かな光に満たされていました。
冷気がつくりだす美。
そこにはぼくの知らない音楽が流れていました。
めざさま
「パラボラアンテナの髪型」は最高ですね!
実はぼくも聞きちがいの達人でして、
「音声入力」といわれると「温泉入浴」の文字が浮かぶし、
「四天王寺」といわれると「酒天童子」が浮かびます。
「好男子」は「講談師」に聞こえるし、
「掃き掃除」は「八王子」に聞こえます。
「放送」にいたってはあなた、
「妄想」に聞こえるのですから大変です。
「放送50年!」
自分のことをいわれたのかと思い、
ドキリとしました。